結束で挑む天皇杯/主将・川上祥平の現在地
2026年3月6-8日、第51回日本車いすバスケットボール選手権大会「天皇杯」が開幕する。
天皇杯という大舞台を前に、伊丹スーパーフェニックス主将・川上祥平は、これまでの時間を静かに振り返っていた。
変化の中で揺れたチーム、思うように進まなかった日々、それでも積み重ねてきたものが確かにある。
結果だけを追い求めるのではなく、仲間と向き合い続けてきた過程こそが、いまの伊丹を形作っている。
全国の舞台で問われるのは、派手さではない。覚悟と結束、その真価だ。
『全員で勝つ』ために
ーー天皇杯に向けて、いまの率直な気持ちは?
川上 天皇杯に向けては、まず「勝ち切りたい」という思いがいちばん強いです。
ここ数年はあと一歩のところで届かなかった感覚が残っていて、その悔しさが準備の原動力になっています。昨季からはチームとして新しい形になり、外からは見え方も変わったと思う。
でも、だからこそ「変わった=弱くなった」ではなく、変化を前向きな力に変えていきたい。
試合は小さなミスや集中の切れ目で流れが大きく動くので、まずは自分たちがやるべきことを丁寧に積み重ねる。
主将としては、勢いに任せるのではなく、全員が同じ方向を向ける空気を作りながら、結果で示す大会にしたいです。
ーーこの大会で、チームとして何を一番大事にしたい?
川上 大事にしたいのは「最後まで自分たちのバスケを崩さないこと」です。
どうしても大きな大会になるほど、一本のシュートやひとつの判断が重くなる。そこで焦りが出たり、ほんの少し気持ちが切れたりすると、積み上げてきたものが一気に崩れてしまうことがある。
だからこそ、プレーの精度だけじゃなく、試合の空気の保ち方も含めて、チーム全体で丁寧に戦いたいです。
いまの伊丹は、年代も背景も違う選手が集まっていて、ひとつの色に染めるというより、お互いの個性を認めながらまとまっていくチーム。その良さを、勝負どころで強さに変えられるかが鍵になると思っています。
ーー応援してくれるファンやスポンサーへ、どんな姿を見せたい?
川上 見てほしいのは、技術や派手さというより「一体感」と「粘り」です。
車いすバスケットボールは、プレーの迫力だけでなく、チーム全員で流れを作っていく面白さがある。
特に天皇杯は、一本の得点や一つの守りが勝敗を左右するので、その瞬間にどれだけ全員が同じ温度で戦えているかが表に出る大会だと思います。主将としては、誰かを強く引っ張るというより、コミュニケーションが途切れて悪循環にならないように、うまく噛み合わせていく役割を意識しています。
応援してくださる方々には、今の伊丹の空気感や変化も含めて楽しんでもらい、最後は「このチームを応援してよかった」と思ってもらえる試合をしたいです。
ご声援をよろしくお願いします!
天皇杯は、伊丹スーパーフェニックスにとって「現在地」を映し出す舞台となる。
勝敗の先にあるのは、変化を恐れず、互いを尊重しながら進んできたチームの姿だ。
主将・川上祥平が目指すのは、誰か一人が背負う勝利ではなく、全員で掴み取る結果。
そのために、声をつなぎ、流れをつなぎ、最後まで戦い抜く。
伊丹が積み重ねてきた物語は、この天皇杯で一つの答えを迎える。


