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【試合レポート】無念の初戦敗退も来年への躍進誓う/車いすバスケ日本選手権

2026年3月6~8日、東京都 TOKYO ARENA TOKYOで天皇杯 第51回日本車いすバスケットボール選手権大会が開催された。伊丹スーパーフェニックスは、この大会4大会連続出場を果たしている。

そして今年も伊丹スーパーフェニックス(以下、伊丹)にとって、その初戦は特別な意味を持つ試合だった。相手は埼玉ライオンズ(以下、埼玉)。天皇杯で3年連続敗退を喫している何としても今年こそは勝ちたい相手だ。

だからこそ、今年の伊丹はこれまでとは違った。

この日のために、チームはこれまでにない戦術を準備してきた。
合宿、練習、そして何度も重ねたミーティング。選手たちは時間をかけて戦い方を共有し「今年こそ」という思いを胸にコートへと向かった。

しかし、試合は思い通りには進まなかった。

噛み合わない前半

第1クォーター、堀内翔太のフリースロー、深川大のシュートなどで得点を重ね、立ち上がりは互いに譲らない展開となる。それでも埼玉ライオンズは落ち着いて得点を積み重ね、6対14で第1Qを終えた。

「準備してきた戦術を遂行することに集中していました。いいスタートで試合には入れたと思います」
堀内は直前の合宿での最終調整行ったことで、緊張感のある天皇杯の初戦にも冷静だった。

ただ、第2クォーターに入ると、試合の流れは徐々に埼玉へと傾いていく。

伊丹は、川上、堀内、森本がシュートを放つが、埼玉の守備は堅い。ペイントエリアへの侵入を徹底して防がれ、伊丹はリングから距離のあるシュートを選択せざるを得ない。やりたい戦術はできている。だが、シュートが入らない。
一方で埼玉は、得点力のあるハイポインターを中心とした攻撃で着実に得点を重ねる。
得点差は、少しずつ伊丹のプレーを硬くしていった。ファウルも増え、点差は広がる。

前半を終えて、14対37。それでもベンチも選手も、落ち込む雰囲気はなかった。

「シュートがリングに嫌われただけ。準備してきた戦術は機能していたので、そこまで焦りはなかったです」

堀内はその時を振り返って至って冷静であったと話す。チームも勝負の後半に向けて、円陣で気合を入れ直してコートに向かった。

流れを掴もうとする後半

第3クォーター。
伊丹は必死に試合の突破口を探していた。

途中出場の伊藤壮平、森本裕規がポイントで得点を決め、チームに勢いをもたらす。
一つのプレー、一つのディフェンスに、ベンチからも大きな声が飛ぶ。

「流れを変えたかった。良いプレーはできたかもしれないが、チームを勝たせることができなかった」

試合後、伊藤はそう振り返った。

森本も、悔しさを隠さない。

「個人的には良いプレーができたが、勝てなかったことが非常に悔しい」

それでも伊丹は、最後まで戦い続けた。

最後まで諦めない第4クォーター

迎えた最終クォーター。
何とか勝利へのきっかけを掴みたい伊丹は、坂田拓哉の3ポイントシュート成功を機に外から積極的に攻めていく。

だが、追い上げを焦る気持ちが、わずかなシュート精度のズレを生む。リングに嫌われるボール。

それでもディフェンスでは粘りを見せ、この試合でピリオド最少失点に抑えた。

だが――
逆転するには、残された時間が足りなかった。

38対63。

必死の追い上げも伊丹スーパーフェニックスの天皇杯は、1回戦で幕を閉じた。

試合後、選手たちは応援席に深々と頭を下げた。

しかし、多くの選手がまっすぐ顔を上げることができなかった。
悔しさが、胸いっぱいに広がっていた。

それでも、ぎこちない笑顔でファンへ手を振る。

「勝てる要素はあった。だが勝てなかった」

誰もが、同じ思いを口にしていた。

堀内は冷静に試合を振り返る。

「相手のいい守備に普段通りのプレーができなかった。そこまで焦りはなかったが、試合中に調整しきれなかった」

試合後の挨拶で、三浦ヘッドコーチは普段からチームを支えてくれているスポンサーや関係者、そしてファンに向けて静かに頭を下げた。

「結果でお返しできなくて、申し訳ありません」

小さく呟いたその言葉には、チームを率いる者としての責任と悔しさが滲んでいた。

それでも、最後にこう続けた。

「チャレンジしてこの試合に臨みました。望むような結果にはならなかった。この悔しさを糧にチームとしてさらに成長していきます。応援してくださった皆様には、来年もぜひ応援してほしい」

挑戦は終わっていない

この試合のために、伊丹スーパーフェニックスは多くの時間を積み重ねてきた。
合宿、練習、ミーティング。

そして、これまでにない挑戦。

結果は出なかった。
だが、後半に見せたプレーには、このチームの可能性が確かにあった。

悔しさを知るチームは、強くなる。

伊丹スーパーフェニックスの挑戦は、まだ終わっていない。
次にこのチームがコートに立つとき――

きっと、今日よりも強い姿を見せてくれるはずだ。

文/高野 篤

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